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わがままな高齢の母に悩まず、むしろ喜ばせる方法

time 2020/08/17

わがままな高齢の母に悩まず、むしろ喜ばせる方法

介護の仕事をしていると、高齢の親を介護する息子さんや娘さんから「(親が)年をとってからわがままになってね」という話を聞くことがよくあります。実際に頭を悩ませている方も多いのではないでしょうか。
そこで、今回は親のわがままを緩和させる方法についてご紹介します。

最初に注目したいのが「わがまま」と言える状態になってしまう原因です。原因は、大きく分けると次の2つがあてはまりやすい傾向にあります。

①認知機能の低下
②心身機能の低下

まずはこれら2つの原因を見ていきましょう。

 
①認知機能の低下

高齢者は、病気の影響や年齢を重ねることで認知機能が低下しやすい状態にあります。認知機能が低下すると、周囲の状況についてわからないことが増えてしまい(理解力の低下)、正しい判断をすることが難しくなってしまいます。

理解力の低下した人の心の中では、自尊心を保とうとする意識から、「わからないということを認めたくない」「物事へうまく対処することが難しくなることで、自分(積み上げてきた知識や経験)を否定されているように感じてしまう」という気持ちが生まれやすい状態になっています。すると、「思考がネガティブ」になり、高齢の親は子供や周囲の人の声を素直に受け入れることが難しくなってしまうんです。

周りの人の声を受け入れることができないと、自分の知識や経験を基にしたやり方・考え方に頼ることになり、状況的に正しいとは言えないことや今の時代にそぐわないことをしてしまいがちになります。この状態は、高齢者本人にとっては「心が窮屈」な状態であると言えますが、周りから見ると「頑固・きかん坊」と映り、「わがまま」と言われてしまうんです。

 
②心身機能が低下

心身の機能の低下によって、「弱気になりやすい」「自信が持てない」「思うように身体を動かせない」という状態に陥りやすくなります。しかし、「自尊心」を保ちたい思いは心身機能と一緒に低下することはなく、親は「なんとか自尊心を保とう」とします。

こういった時によくあるのが、自分の殻に閉じこもることです。こうなると、上記と同様に「思考がネガティブ」になり、周りの人の声が届かず、心は窮屈になり、他者に「頑固・きかん坊・わがままな親」と見られる状態になってしまいます。

 
どうやって緩和する?

「高齢者のわがまま」を効果的に緩和する方法のひとつに、「思考がネガティブになり、周囲の声が届かない」という状態に対して、「機嫌よく過ごしてもらう」ようにアプローチをするというものがあります。

多くの人に当てはまると思うのですが、機嫌が悪い時に何かを言われたり、されたりしても、好意的に受け止めたり、スムーズに受け入れることは難しいのではないでしょうか。逆に、機嫌がよければ相手の言葉や行動を好意的に、スムーズに受け入れることができると思います。

この点は「わがまま」な状態にある高齢者も一緒です。気持ちがポジティブであれば他人の思いや考え・行動を受け入れやすくなります。

機嫌よく過ごしてもらうには「喜んでもらう」ことが大切です。もちろん、親との関係性やそれを踏まえたやり方は人によって異なり、効果にも差は出てきますが、効果的であることは確かです。

 
高齢者に喜んでもらうポイント

○人に自慢できる話題への誘導(仕事や子育て、地域での活動など)
例えば、女性なら子育てや家事を行ない、苦労した経験を持つ方も多いので、「お母さんは苦労しながら3人の子供の面倒を見て、家事もこなしてきたんだよね?」と、さりげなく話題をふってみてください。たいていの方は、当時の思い出や苦労した経験を喜んで話し始めてくれるでしょうし、うんうんとしっかり耳を傾けてあげることでお話も弾むと思います。

 
○日頃から役割をもってもらい、感謝をする(家の片づけや掃除、料理、食器洗い、ゴミ捨て、地域の活動への参加など)
簡単な料理や手伝いをしてもらい、その後で顔を見ながら「お母さんありがとう。やっぱりお母さんが作ってくれたごはんはおいしいね」「手伝ってくれてありがとう。お母さんがいてくれて助かるわ」と感謝を伝えてみましょう。この時に、親が恥ずかしそう、嬉しそうな表情を浮かべているかを確認することが大切です。親が喜んでいるとはっきり感じるまで、とことん感謝を伝えてあげるとより効果的です。

 
○好きな食べ物を用意する(親の好みのお菓子や料理、飲み物など)
好きな食べ物は、それがあるだけで人の心をポジティブにしてくれます。日頃から親の好きなものを用意しておいて、喜んでもらえるようにしましょう。その時に「お母さんは昔から○○が好きだったよね?買っておいたから、また食べようね」と親を思いやる気持ちを添えると、親は「私を大切に思ってくれている」と感じることができるのでより喜んでもらえるはずです。

 
気を付けたいポイント

ここまでにご紹介したアプローチをする際に気をつけていただきたいポイントが3つあります。

○自尊心への配慮:
子供扱いしない。ご機嫌とりをされていると感じさせない。
○不機嫌になる前のアプローチのほうが効果的:
日常的にアプローチして不機嫌を予防する。不機嫌になってしまった後だとリカバリーが大変です。
○不機嫌になった後のアプローチはさりげなく:
不機嫌になった直後は何をしてもご機嫌とりをされていると感じやすいので、時間を置いてタイミングをはかりさりげなくすることが大切。

以上のポイントを押さえておかないと逆効果になり、親を不機嫌にさせてしまいかねないので注意してください。

 
 
ここまで、「わがまま」になってしまう原因と、緩和のためのアプローチの方法についてご紹介してきましたが、いかがでしたか?

親を喜ばせるためには、上記以外にも様々な方法がありますが、重要なのは「やらないと」という必要に迫られた行動ではなくて、何気ない思いやりの心・優しい気持ちであると思います。親の心に寄り添うことで、自然と緩和のアプローチができてくるのではないでしょうか。

本記事が親子のよい関係を築く手助けになれば嬉しく思います。
ご参考にしてみてください。

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