2020/05/02
高齢者福祉施設への空気清浄機の導入について、自動モードにすることで、空気清浄機が稼働したりしなかったりがあった時、急に稼働して音がしたら高齢者は驚かないかなという心配がある。
急な作動が高齢者に与える影響
空気清浄機を自動モードにしていると、空気中の汚れを検知したときに急に風量が上がり、作動音が大きくなることがあります。高齢者福祉施設では、利用者の方々の聴覚や認知機能が多様であるため、急な音や動作の変化によって「何が起きたのか分からない」という不安を感じさせたり、驚かせたりする可能性があります。とりわけ、加齢に伴う聴力の低下がある一方で、特定の周波数や突発的な音には敏感に反応しやすい方もいらっしゃるため、突然の作動音がストレス要因となることが考えられます。
また、高齢者の中には環境の変化に適応するまでに時間を要する方もいます。自動モードによる不規則な立ち上がりや動作の強弱は、「何か異常が起こったのではないか」「機械が壊れたのではないか」といった不安を呼び起こすこともあります。こうした心理的負担を防ぐには、導入前から「空気清浄機が自動で動き、センサーが働くと音がする」ということを利用者やスタッフに周知しておくことが重要です。また、自動モードを使用したい場合でも、なるべく静音設計の機種を選んだり、風量を落とした静音運転を基本とするなど、急激な動作・騒音の発生を抑える工夫が求められます。
このように、高齢者が驚いたり不安になったりするリスクは施設環境や利用者の個々の状態に左右されます。常時一定の風量でゆるやかに運転し、センサーの敏感な反応による急激な動作を避けることで、高齢者への負担を軽減しながら室内の空気を清潔に保つことが可能です。結局のところ、自動モードの便利さと高齢者の心理的安心感とのバランスをどのように取るかが大きなポイントとなるでしょう。
急な作動音を抑えるための方法
空気清浄機を自動モードで利用する際の急な作動音を抑えるには、まず静音運転モードや風量設定を工夫することが有効です。多くの機器には「静音モード」や「弱風量運転モード」が備わっており、このモードを基本とすれば作動時の音がかなり軽減されます。
また、自動モードではなく弱~中程度の風量に固定して常時運転する方法もあり、空気の清浄効率は多少下がるものの、急な動作音が発生しにくくなるというメリットがあります。
設置場所の工夫
次に、設置場所を工夫する点も重要です。利用者の耳元から離れた場所に置けば、突然の起動音が聞こえにくくなり驚きが和らぎますし、壁や家具で音の反響を抑えるよう配慮すれば、体感的な騒音をさらに小さくすることができます。
スケジュールに合わせた運用と周知
また、施設のスケジュールに合わせた運用ルールを作ることで、利用者のストレスを最小限に抑えることが期待できます。たとえば、日中は自動モードや標準運転モードを利用し、夜間には弱運転や静音モードに切り替えるといった使い分けが考えられます。さらに、「空気清浄機は汚れを検知すると音がすることがある」という点をあらかじめ利用者やスタッフへ説明しておけば、作動時の突発的な音への驚きを軽減し、不安を和らげる助けになります。